最終節
レポート
プロリーグ最終節のレポートを担当させていただきます加藤春樹です。
上位9名がプラスと大混戦のリーグ戦、決定戦に向けての組み合わせが発表されました。
1卓 清原プロ、板川プロ、近野プロ、高根プロ
2卓 斉藤プロ、山本プロ、酒井プロ、岸野プロ
3卓 下野プロ、坂本プロ、弥生プロ、白石プロという組み合わせに決まりました。
この中から成績上位3名が、3月5日に行われる決定戦に挑みます。
1回戦1卓の模様は、暫定首位の清原プロに対して、三者がどのように打ちまわすのが見所となりました。
親の清原プロの先制リーチに対して誰も一歩も怯まず、じわじわと前に進んでくる中、板川プロが5萬を仕掛けて以下の手でテンパイ。
6ピンをツモあがり、軽く清原プロの親を流します。これには清原プロも板川代表の気合を肌で感じたのではないでしょうか。
しかし最初に波に乗ったのは近野プロ。東4局2本場、板川プロが七対子の発待ちで先制リーチをかけますが、同巡、追いついた近野プロが追いかけます。
ドラ
流局間近、板川プロが近野プロの当たり牌の東を掴んでしまい板川プロにとっては痛い失点となってしまいました。最後まで攻撃の手を緩めない近野プロが7万点オーバーのトップとなり一気に首位まで見えてきます。
2回戦、厳しいマークに合うのは1回戦目にトップを取った近野プロ。しかし、先程の激しい打点の叩きあいとはうってかわり全員が牽制仕合い小場で進みます。
誰がトップを取ってもおかしくない点数状況で迎えたオーラス。冷静な判断力で場を読みきった板川プロが、高根プロに差し込む形トップを守り、かつ近野プロにラスを押し付け、この先の展開がますます面白くなってきました。
板川プロの鋭い攻めになすすべもなく、オーラス板川プロ38000、清原プロ34000、近野プロ25000、高根プロ23000
板川プロが高根プロの仕掛けと清原プロのリーチを受けて場を読みきった板川プロがトップを維持しつつ、高根プロに差し込み、近野プロをラスにし1回戦のラスを少しでも取り返す形となりました。
3回戦は近野プロが決定戦に向けての意気込みが現れる戦いとなりました。
東3局 近野プロが3巡目に以下の手が入ります。
まだトップを一度も取れていない清原プロが、最終戦を前にして少しでも加点したい思いから無スジの1萬を切って勝負に出ますが、これがあえなく放銃という苦しい結果に。
南2局までずっと我慢をしていた高根プロにようやく勝負手の萬子の清一色が入るものの、高根プロの高打点の手を他家が自由に許すはずもなく、近野プロが高根プロから確実に出てくるソウズの牌を手堅く打ち取りました。反撃を許さない近野プロの堅実なうち回しが、トップに結びつく一戦でした。
4回戦目は、泣いても笑ってもこれが最後の戦いです。
ラスを引くと決定戦に残れない可能性が出てくる清原プロと、トップを取れば決定戦に参加できる可能性が出てくる板川プロ、近野プロ、高根プロ。誰も最後まで諦めない姿勢は崩しません。
4回戦目は完全な対子場。板川プロが七対子をツモあがった次局、清原プロから七対子ドラドラをもぎ取ります。しかしその反撃に、清原プロが板川プロから七対子ドラドラを打ち取り、その後、勝負手だらけのリーチに対してきっちりとオリに回った清原プロが何とかトップで終了。
この時点で、卓内1位の近野プロの総合得点が199.9、卓内2位だった清原プロが224.7です。清原プロの決定戦への進出は手堅いものとなりましたが、2卓の結果次第ではまだまだどうなるかわかりません。
その2卓では、マークされているのは暫定2位の斉藤プロ。
それを理解している齋藤プロも、大物手を仕上げられないように電光石火のごとく軽く捌く作戦に。それが功を奏したのか、迎えたオーラスはトップでも33800点、ラスでも24100点という僅差の勝負。ここで面白いのが齋藤プロと酒井プロが同点の30500点であるというところ。僅かな点差が命取りになる局面、それでも大きなトップを取らねば決定戦に残れない酒井プロが先制リーチをかけて勝負に臨みます。酒井プロにあがりを許すとマイナスの傷を負う齋藤プロも勝負に出ますが、ラスの山本プロに齋藤プロが放銃という形で半荘が終了。山本プロが齋藤プロをラスに押し付けて3着に浮上したことで、この後、展開は一気に混戦模様となってきます。
続く2回戦目も大物手は出ず、軽い局が続きます。そうなると有利になるのが、仕掛けが得意な齋藤プロと岸野プロ。総合得点の兼ね合いから、どうしても打点が欲しい酒井プロにとっては苦しい展開です。
齋藤プロと岸野プロの明暗を分けたのはオーラス。2着目の齋藤プロがトップの岸野プロの手を捲る手を仕上げてリーチをかけます。このリーチに対して残る三者は手を仕上げられず、齋藤プロの一人テンパイ。結果、このテンパイにより僅か100点差で齋藤プロが岸野プロを捲る結果となりました。
3回戦も前回と同様、小場が続きます。
こういう状況が続くと、ひとつ大きな手を仕上げた人に一気に軍配が上がることになります。
その小場の空気を最初に打ち破ったのは岸野プロ。
南2局での以下の手が、3回戦のトップを決定付けるあがりとなりました。
ツモ ドラ
4回戦は酒井プロが最後に意地を見せます。
早い仕掛けで主導権を握り、東3局を迎えて以下の手でリーチ。
これに対して勝負に出たのが岸野プロ。暫定順位を考慮すると、できればトップで終了したい最終戦であります。しかしながら、勝負手のテンパイ打牌でった6ソウが酒井プロへの放銃となり手痛い失点。これにより、岸野プロの決定戦への道のりが厳しくなりました。
最後までリードを守りきった酒井プロがトップを維持したまた終了し、結果を待ちます。
全卓が終了し、決定戦に進出したのは1節目から首位の座を譲らなかった清原プロ、最終節で大きく得点を伸ばした近野プロ、そして他家に大物手を仕上げさせることなく失点を防ぎ続けた齋藤プロとなりました。
新人プロ2名を含む3名が、チャンピオンの中田プロに挑みます。中田プロにとっては初めて卓を囲む新人プロ2名がいるということで、どんな展開になるのか全く予想がつきません。
しかしながら、弱者など一人もいないこの決定戦、目を離せない戦いになることだけは間違いありません。決定戦は3月5日、梅田イースターにて全5回戦行われます。このレポートをご覧いただいているあなたは、ぜひ観戦にお越しください。お待ちしております。
2017年2月13日
執筆者:加藤春樹
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