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【第3期】WW King 決定戦

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【第3期】WW King 決定戦

成績

優勝者コメント

レポート

全5節の結果、前チャンプの中田プロを迎え撃つ3名が決まった。
1位通過は板川プロ。初代チャンプであり、今期プロリーグは常に1位の座を譲らなかった。
2位通過は酒井プロ。最年少の若手ながらバランスの良い麻雀で常に上位に名を連ね決定戦にも残った。
3位通過は山本プロ。今期は苦戦を強いられたが、後半に一気に捲りきり決定戦に滑り込んだ。
対局前はみな、気合いの入った顔付きであった。

【1回戦】
開局、次局ともに小さな手で場が進んだ東3局。
酒井の先制の親リーチが入るも、怯むことなく中田が追いかけリーチ。
酒井が一発で掴み8000点の放銃となった。
ここから場が大きく動くかと思われたが以後も互いを牽制しあってか小場の行き詰まる展開が続いた。
オーラスはトップ目の中田に早いタンヤオのみのテンパイをあがりきり、東場での8000のあがりを生かして逃げ切った。

【2回戦】
開局、ドラは九萬で山本の手牌。


ドラ

このテンパイをリーチせず、高めを酒井から打ち取る。このあがりで山本が主導権を取る。
その後は大きな動きはなく南1局、中田が役牌を2つ仕掛け、酒井から8000を打ち取り山本に迫る。
南2局、中田がダブ南を仕掛けるなか、山本がこの手牌。

これを我慢強くダマで手替わりを待つ。
その我慢に応えるようにドラの5sを引いてリーチ。
2sを切っておりフリテンではあるものの、構想通りのリーチであろう。
このリーチはあがりにはならなかったが素晴らしい手順であった。
流れて1本場はここまでこの半荘おとなしかった板川が先制の親リーチを見事にツモあがり4000オールを決めた。
オーラスは山本、板川、中田が仕掛けトップを取りに向かう中、ラス目の酒井がリーチ。


ドラ

高めであがらきれれば、という手であったがあがったのは中田。
しっかりと捲れる1600-3200をツモり2連勝を決めた。

【3回戦】
ここまで、中田+76.3、山本+2.9、板川-20.3、酒井-58.9となった。
3回戦でも中田に加点させてしまうと残りの3者は辛くなる。ここは是が非でも中田を沈めたいだろう。

東3局、その3者の思惑を打ち砕くように中田が4000オールを決める。
こうなると3者は辛い。
中田以外からの出あがりをしにくくなってしまう。
しかし、だからとおとなしくなってしまうようではないのがこの3者であった。

東4局には親番の山本が2000、2900と連続で中田からの直撃を取れば、酒井も満貫をツモり一気に中田へと迫る。
南2局、ここまで一人取り残されていた板川だが親番で3面待ちのリーチを1発でツモあがりついに中田を捕らえた。
次局には酒井が5200を中田から直撃。さらに次局には山本が中田から8000の直撃。
迎えたオーラス。
酒井35800、板川34700、山本33700、中田15800

中田はトップ目からのまさかのラス落ちで、3者にとっては最高の並びを作った。

親の山本が先制のリーチで場を支配したかと思ったが、中田が意地の追いかけリーチを打ち山本から5200を取り返した。

【4回戦】
ここまで、中田+38.3、板川▲5.6、山本▲9.6、酒井▲23.1
3回戦の結果で一気に点差が縮まった。
東1局、板川が先制リーチを打つも中田がうまく回しきり500-1000で先手を取る。
東3局、親の中田が5ピン切りのリーチ。


ドラ

これを見事にツモあがり裏も乗って4000オールとなった。
1本場、これで中田がリードを取る展開かと思いきや、板川のリーチ


ドラ

安めのツモながら裏が乗り跳満で、親の中田は痛い親被りとなった。
南1局、板川がをポンしてテンパイ。

 ポン
ドラ

しかしこれは役無しの東をツモってしまい打六萬。
酒井がリーチから高めをツモあがった。


ツモ

南2局、親の板川がツモ切りリーチを打つ。


ドラ

山本が追いかけリーチを打つも板川が高めのドラ8mをツモあがり、さらに裏ドラも2枚のり8000オール。
まさに一撃必殺のあがりとなり大きくリードを奪った。
南3局はここまでリーチが空振り続きであった山本のリーチがようやく成就し満貫のツモあがりとなり、オーラスへ。

板川54100、中田27200、山本19400、酒井19300

山本、酒井は3着の僅差ではあるがここは8000の出あがりでも中田を交わせることから2着を狙っていくだろう。

しかしここは中田が發ポンからの3900を板川からあがりきり、2着をキープした。

【5回戦】
ここまで、中田+49.4、板川+44.6、山本▲30.2、酒井▲63.8
中田、板川は着順勝負。山本、酒井はポイントプラスの二人を沈めて、さらに素点で差をつけることが優勝の条件となった。

開局は東を仕掛けていた板川が酒井より2000点をあがり、東2局。
親の山本が先制リーチ

 
ドラ

これをあがりきれば一気に条件が軽くなる。しかし終盤になりあがれぬまま酒井が追いかけリーチ。酒井が満貫をツモあがり、山本はチャンス手を蹴られてしまう。

東3局、親の板川がカン7mを鳴いてテンパイをいれる。

 
ドラ

しばらくツモ切りを繰り返していた山本がツモ切りリーチ。
このリーチが見事に決まり、山本が跳満のツモあがり。
親の板川が親被りしたこと、先ほど酒井が満貫をツモあがったことで山本にとって理想的な並びが出来た。

南1局、板川が中をポンしてこの手牌。

 ポン
ドラ
ここから打3ピンとしたのが印象に残った。
9ピンを引いてテンパイし、見事に7萬をツモあがった。

ここまで中田はなかなか勝負に参加出来ないまま局が進んでいたが、南2局に1300を板川から直撃しようやくあがりを物にした。
続いて南3局、親の板川がまたも仕掛けをいれる。
七萬ポン、2ピンポンとしこの手牌

 ポン ポン
ドラ
中田も追い付きこの手牌

どちらがあがるのか息を飲んで見守っていたが、板川が3mを掴み中田へ1300の放銃となった。

迎えたオーラス
山本39300、酒井31000、中田26900、板川22800

各自が条件を今一度確認した。

親の中田は初打から中張牌の連打し流局へと照準を向けた。
板川は8順目に条件を満たす手が入る。


ドラ

板川以外があがりに向かわないこの状況では南のポンには期待出来ない。
板川は1順回してツモ切りリーチとした。
結果は板川のツモ筋には3pは居らず流局となった。

長かった5戦が終わり中田プロが連覇で優勝となった。
中田プロが終始圧倒という展開ではなく、みなが見せ場を作る高い質な麻雀であり、思わず見入ってしまった。

今期は私はこの決定戦に残ることが出来なかったが、次こそはという気持ちが一層強くなった。
後期は新たなメンバーを迎えさらに熾烈になるであろうプロリーグはますます面白くなるだろう。

2016年10月15日
執筆者:岸野功武

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