最終節
大会模様
その後の懇親会
レポート
プロアマ秋合戦もいよいよ最終節となりました。今回はこの最終節の決勝卓のレポートをさせて頂きます。
最終節の3回戦までの上位4名の成績は以下の通りです。この4名の中から、優勝が決定致します。
押谷勇輝 274.8
坂本健二P 227.3
砂辺正秀 208.4
中田一幸P 199.8
東1局5巡目。坂本Pに9ピンの仕掛けが入る。河を見るとピンズの混一の気配はなく、翻牌の暗刻が濃厚だった。12巡目、坂本Pが白を暗カン。次巡、三萬を手出しで切り、テンパイが入ったと見られる。その三萬を親の砂辺さんがチーして連荘を狙おうとするも、坂本Pがツモあがり、坂本Pにとっては幸先の良いスタートとなった。
ポン
ツモ ドラ
東2局、親を迎えた中田Pの手順が光る。6巡目に3ソウを暗カンし、9巡目のこと。
ドラ
この手牌にツモってきたのは新ドラの七萬。567ソウの三色を見つつ、切ったのは3ピン。次巡、7ピンツモで、三色を捨ててタンヤオを確定させる北の対子落としに入った。そして5ソウを引き入れ、以下の形でリーチ。
ツモ ドラ
3巡後に五萬をツモ。無駄のない打ち回しが見事だった。
続く中田Pの一本場、砂辺さんが10巡目にリーチ。
ドラ
白と中は共に生牌。13巡目に押谷さんが中を掴んで放銃する。しかし、ここでこの押谷さんの中切りに、「ロン」の声がもう一つかかっていた。中田Pがダマでチートイツ中単騎のテンパイを張っていたのだ。頭ハネで砂辺さんに軍配が上がったが、中田Pにとっては大きなトップが欲しいところであったため、このチートイツを和了して勢いをつけたかったところだろう。
東3局、東4局と砂辺さんの連続和了が続き、南入する。
流れに乗った砂辺さんに親が回ってきた南1局。これ以上勢いをつけさせられないとばかりに、中田Pが3フーロし、タンヤオで砂辺さんの親を蹴る。
南2局、親の中田Pに9巡目でテンパイが入った。
ドラ
これをダマで構えてツモ切りを続けていたが、巡目が進むたびに他家の手が仕上がっていく。そして和了したのは坂本P。ダマテンで500-1000をあがり、オーラスの親にかけるべく局を進めた。
南3局、親の押谷さんがソウズの染め手に走る。そこへ、砂辺さんから10巡目にドラ切りのリーチが入った。
ドラ
この時点で砂辺さんは着順差も含め、押谷さんに20ポイント強を離してのトップ目に立っていた。それ故、ダマテンで白の片あがりの選択もあると思うが──親の押谷さんは必ず前に出る。押谷さんのソウズの染め手での打③⑥ピンでのあがり逃しだけは絶対に避けたい──と、勝負どころと見てリーチを選択した。
そして同巡、親の押谷さんにテンパイが入る。
ドラ
この形から5ソウをツモって4ソウを切ってリーチ。14巡目に押谷さんが7ソウをツモりあげると、これが完全にこの度の勝利の決め手となった。
実はこの局、押谷さんは4巡目で以下の形で1枚目の東をスルーしていた。
最後の親で点数がない状況、そしてこの形で自分は果たして東をスルーできるだろうか? 彼の芯の強さと、この局、このプロアマ秋合戦にかける熱い思いを感じる一局だった。
そこから押谷さんが息を吹き返し、勢いが止まらない。南3局1本場で4000オールをツモり、さらに点差を広げる。
南3局2本場が流局した後、迎えたオーラス。各自条件を睨みながらタンタンと模打が続く。しかし誰も動けず、誰も動かず、流局で終了した。
この決勝戦を振り返ってみると、南3局の押谷さんが4巡目で東をスルーしたことが勝負の分かれ目だとずっと感じています。もし鳴いていたら優勝できていなかったかも知れないし、逆にもっと楽に優勝していたのかもしれません。それは誰にも決して分からない運命の領域ですが、麻雀は同じ手牌を貰った時、──ここで鳴くのか否か、リーチをかけるのか否か──と、他の打ち手と選択が異なるのが大きな違い、運命の分かれ目にになると思っています。
今回のプロアマ秋合戦では全節を通じて、押谷さんはかなり苦しい状況でありながら、ほとんど焦りを感じさせないどっしりとした麻雀、押したり押し返す時の腹をくくった一打の強さを見せて頂きました。
優勝そして連覇、本当におめでとうございます。その一方で、敗れはしましたが、砂辺さん、坂本P、中田Pの強い麻雀、素晴らしい闘いに触れることができました。
最後になりましたが、このプロアマ秋合戦にご参戦頂いた方々、皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。これからもMCWWは皆様と共に、関西の麻雀を盛り上げていきますので、どうぞ宜しくお願い致します。
執筆者:山本聡
2016年1月31日
↓前節の成績は、次のページにございます↓
コメント
コメントはありません。