第2節
Aリーグ
Bリーグ
レポート
2019年10月、決定戦経験者が軒並み揃って赤字発進という波乱の幕開けとなったAリーグ。11月に行われた第10期WWking第2節を高根昭裕がお伝えします。
組み合わせは以下の通り。(敬称略)
成績右の数値は《決定戦進出数ー優勝数》
現WWking 山本 聡《6-②》
【1卓】
1位 弥生 +97.7《新》
3位 高根 +41.2《新》
5位 清原 △13.1《1-0》
7位 近野 △22.7《5-①》
9位 中田 △80.5《5-③》
【2卓】
2位 齊藤 +77.6《2-0》
4位 夢野 +22.5《1-0》
6位 板川 △19.0《5-②》
8位 坂井 △25.3《3-0》
10位 岸野 △81.4《2-0》
※下位2名が降級
Aリーグ昇級を果たした、高根、弥生以外は全員が決定戦経験者だ。
更には2節の私の卓は優勝経験2名、新人2名という、絵に描いたような下克上。
気合の入れ方が並大抵では無いのは言うまでもない。
リーグ戦前日
TwitterなどのSNSで、大事な対局前日に『肉』を食べる人を見かけるので、私もあやかって焼肉を食べに行き、気合十分。
リーグ戦当日
5人卓なので抜け番を決めるのだが、まさかのトラブル発生…。
焼肉の匂いが取れていない。(自分の中で)
すかさず1回戦の抜けを選択。
[1回戦]
大きな+スコアを持つ弥生に、△スコアの3人がどう食らいつくか?
中田・近野としては、弥生の2着以上、両名での3、4着だけは避けたいところである。
起家 中田
南家 清原
西家 近野
北家 弥生
東1局 ドラ9ソウ
親の中田はドラも無く、苦しい配牌スタート。
丁寧な手順で進めるも、9巡目に近野から⑥ピン切りリーチが入る。
そして12巡目には弥生からも②ピン切りリーチ。
互いの理想か最悪かの1回戦となりそうなリーチ合戦となった。結果は2人テンパイで流局。
東2局 親 清原 ドラ4ピン
供託のリーチ棒拾いに、親が早々と白ポン。
マンズを散らしているため、北家の中田が対応させられてしまう。
親の仕掛けに弥生がロンされてしまい、2900。
ポン
ロン
ドラドイツの好配牌に恵まれた西家弥生だったが、ムダツモ無しの中田のリーチが1000/2000のあがりとなった。
ツモ
満貫以上のあがりが出ないまま進んだ東3局
親 近野 ドラ1萬
ツモ
一気通貫と三色同順を見据えて、打3ソウ
4ピンを引いて一気通貫を見切った、打9萬
6萬を引き入れ、以下の形に
2ソウは場に1枚、5ソウは0枚。
ドラの1萬でリーチならば、三色が見込める。
4萬or7萬リーチならば、ツモで2600オール以上。
近野の選択は、ドラ切りリーチ。
結果は一発で2ソウをツモあがりし6000オール!
柔よく剛を制すという言葉があるが剛よく剛を…いや、強欲剛を制すあがりとなった。
大きなリードを持ったまま迎えた東4局
親は弥生 ドラ6ピン
弥生のリーチを受けて、3者がオリ気配で進んだ終局間際の南家中田の手牌。
リーチを受けた道中で、唯一の安全牌3ピンを切ったため
フリテン含みのイーシャンテン。残りツモ回数は2回で、上家の弥生から一が打たれる。
危険牌だった5ソウが安全になったばかりで、さすがに形式テンパイを取るだろうと思ったが、中田の選択はスルー。
そして、ツモはドラの⑥ピンでフリテンを引き戻してテンパイ。
すぐさま対面の近野から一をロンし、3900のあがりとなり、大きく差を縮めた。
形式テンパイで3000点差を縮める私としては、発想はできるが、行動には移せないと思う。
細い糸を通すような事でも、時として欲張ることも大事な駆け引きの一つという事だろう。
東場で様々な駆け引きを含んだ半荘のオーラス。
弥生 34800
中田 32300
清原 18200
近野 34700
南4局3本場 親は弥生 ドラ9ピン
中田にテンパイが入った。
トップまでは2500、2着までは2400。
リーチツモならばトップリーチロンは1300+900なので、清原から出たら着順は変わらない。なので、ツモあがりできるのがどちらか?と、河と睨めっこ。
カンチャンの5ソウか?
6ソウと北のシャンポン?
キャッシュレスの時代に乗るならば北北(ペイペイ)いつかは言いたかったワードだ。
電車に乗る時は毎回切符を購入するアナログな中田が選んだのは、カンチャンの5ソウ。
2フーロで押し切ろうとする近野vsカンチャン5ソウリーチ
結果、近野が5ソウを掴んでしまい、中田の1300は2200のあがりとなった。
[2回戦]
暫定首位の弥生がトップだったのもあり、攻め>守りの姿勢で挑んだ。
私の下家は中田。局を流すための阿吽の呼吸が取りやすい席順となった。
呼吸と言えば、私は親でサイコロボタンを押す際、ルーティンで深呼吸をするようにしている。しかし、焼肉臭を撒き散らす可能性があり今日だけは封印した。
東1、東2を軽快に1000点で流し、中田が場・ゲームを支配しようとしていたが
中田からの先制リーチに押し切り、めくり合いを制した。
後は、息が漏れないように控えめな呼吸で「ツモ」と「ロン」を言い続けてトップを取ることができた。
[3、4回戦]を2着、2着で迎え、そして迎えた5回戦
[5回戦]
東2局 ドラ2ソウ
各種字牌がまだ顔を見せていない序盤
打9ソウとして仮テンとした。
すぐさま弥生からのリーチを受けて、引いてきたのは4ピン。河の筋本数は3本。これが一発ロンで8000点の失点。
東4局
失点を減らしながら親を迎えるため、早々と中をポンして以下のテンパイ
ポン
テンパイが入ってすぐに、親の近野から10巡目にリーチ。安全牌は8萬のみ。
引いてきた3ピンをツモ切ると、一発ロンの12000点。
リードを吐き出してしまった次局。
事件が起きた。
東4局 ドラ6ソウ 配牌
三色同刻含みのトイトイが目指せる。
河が派手になるので、少しでもホンイツや国士無双に見えるように捨て順を気にした。
9ソウのポンを入れた後、下家の清原が2ソウの暗カン。
カンドラは、先ほどポンした9ソウ。
大きなマイナスを取り返すビッグチャンスの到来。
同時に親の近野から⑥ピン切りリーチも到来。
ツモ
高目三倍満を見据えて9ピンを暗カン!リンシャンに託した。
カンドラはなんと9ピン!!!これで高目、安目が無くなり、三倍満確定。
ボルテージはMAXになり、生きた心地のしない近野リーチ男vs焼肉臭を撒き散らし始めた三倍満野郎
勝負がつかず進んだ終局間際、恐る恐るめくった近野の打牌は私の暗刻牌の発。
大明カンのパオありルールなので、大明カンを決行。
リンシャンから七(近野は四ー七萬待ち)を引き、打九として流局。
その後は見せ場もなく、リードしたポイントを吐き出す形となり半荘を終えた。
2卓では四暗刻のあがりを決めた岸野と坂井が大きくスコアを伸ばし、決定戦進出に望みをつなぐ形となった。
2019年11月18日
高根昭裕プロ
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