2022年後期プロリーグ(第16期)第4節
今節のレポートは有田圭壮が担当いたします。(以下敬称略)
第4節2卓の開始時点での成績は上位から
酒井+230.5(暫定1位)
夢野+51.9
有田+29.3
山本+11.9
坂本△56.4
別卓の坂井+125.1(暫定2位)、下野+102.6(暫定3位)
ここまでトータルTOPの酒井においては、無理して高リスクな勝負に出ることは考えにくい。
この状況を鑑みると、目下の標的は夢野である。
かつ、決定戦進出を見据え、3翻以上の長打高得点を量産していく志でのぞむ。
1回戦 有田→夢野→山本→酒井 抜け番:坂本
ドラ白
①①④④⑦⑦⑧⑧南南西西白をはじめとする、
高打点の聴牌自体は入りつづけるものの、放銃側に回ってしまい、
1着:夢野+58.6
2着:酒井+10.4
3着:山本△10.0
4着:有田△59.0
2回戦 山本→坂本→酒井→有田 抜け番:夢野
1回戦の結果とは無関係に、当初の戦略は続行する心づもりでの2回戦。
ドラ⑤、強振狙いのため、河に放たれた1枚目の発を見送った結果、
⑤発シャンポン待ちテンパイからのリーチで和了、裏ドラ表示牌が白で僥倖の12000点。
この和了に不運にも飛び込んでしまったのは坂本だったが、
オーラスまでに巻き返して、有田を追うべく2着につけての最終局。
ラス親の有田が早々に役牌を二つ仕掛けて混一色模様。
実際の手牌は以下のとおり。
②③④⑤⑤⑦⑧ 南ポン 白ポン
ここまで4着で着順アップの条件もかなり厳しい酒井からピンズが1種だけ放たれた後にリーチの発声。
有田の和了牌の⑥を暗刻で手牌に組み込んだ形で1000/2000の和了を決めて終局。
1回戦目と合わせて、最終形から察するに、けっして恵まれていたわけではないであろう手牌とツモから、
針の穴を通すような和了を紡ぎだしてゆく。もちろん、リスクを最小限にした上であることはいうまでもない。
1着:有田+48.7
2着:坂本+15.8
3着:山本△18.7
4着:酒井△45.8
3回戦 坂本→有田→山本→夢野 抜け番:酒井
強振空振りの有田戦略とは相反して、きっちり和了を積み重ね続けて好調の夢野がオーラス親までにTOPを快走、さらなる加点を目指したが、これに待ったをかけたのが坂本。
跳満ツモ和了もしくは夢野からの満貫直撃和了条件下(14700点差)から、
苦しいながらも着順アップを目指す展開に。
変化を期待する山本の南暗槓によって、新たにドラになった雀頭の八を追い風に坂本がリーチ!
ドラ③ 槓ドラ八
②③③④⑤345678八八 ④ツモ
4000/8000の和了で見事に条件達成。大逆転劇を演じた。
1着:坂本+46.9
2着:夢野+17.6
3着:有田△14.4
4着:山本△50.1
4回戦 酒井→山本→坂本→夢野 抜け番:有田
4回戦は抜け番のため観戦。ここまでたいへん苦しい展開を強いられている山本。
終始苦しい手牌ながらも、常に予想できうるかぎりの最高形を目指した手組みがなされてゆく。
しかしながら、先行されて間に合わない局面が続き、見た限り四度放銃牌を掴まされる立場に回ってしまう。
さはさりとて、放銃したのは躱し手へ致し方なしの2000点のみ。
忍耐・胆力とはなにか、ということの本質を目の当たりにした。
1着:夢野+41.7
2着:酒井+11.2
3着:山本△11.9
4着:坂本△41.0
5回戦 夢野→有田→酒井→坂本 抜け番:山本
自身の戦略は変わらずの5回戦。…とはいえ。
ここまで1・2・1着で絶好調の夢野の親で連荘されてはかなわないとばかりに、
1巡目に放たれた役牌の南を早々にポンして躱し手にしてゆくのだが、
残った手牌は嵌張二つのリャンシャンテンでかなり苦しいものであった。
雀頭の四が親の安全牌とはいえ、結局三副露して
四四⑥⑧ ⑦ツモ 345チー 八七九チー 南ポン
命からがらの300/500で発進したが、
ほぼ酒井からの直撃条件のみが残されたオーラス(11900点差)を迎えることとなる。
ドラ⑦
⑧⑧⑧999一二三四五七八
巡目も三段目の最終番、上記の手牌へツモってきたのは2
これが先制リーチの酒井に飛び込むことになって万事休す。
南南⑦⑦⑦34三四五六六六 2ロン
1着:坂本+39.0
2着:夢野+16.7
3着:酒井△3.9
4着:有田△51.8
結果として、終始打点にこだわりすぎてしまった有田と、
リスク<和了を優先して大躍進した夢野とで明暗が分かれた印象を受けた。
また、別卓では坂井、下野、榮がそれぞれスコアをおとし、
下位に甘んじていた齊藤、高橋が大きくスコアを伸ばした。
次回1月29(日)はいよいよ第16期最終節、是非熱い戦いにご注目いただきたい。